書類作成時のバックアップの重要性
ワードやエクセルで書類を作っているときに、突然ソフトが強制終了してしまい、それまでの作業が全て水の泡になってしまったという経験は誰でも一度はあるかと思います。
5分や10分くらいのちょっとした時間でやり直せる作業なら良いのですが、1〜2時間かけて作ったファイルが丸ごと失われてしまった時は笑い話では済みません。
プライベートな作業ならまだしも、仕事の中でこのようなことが繰り返されている場合、たとえ1人あたり(もしくは1回あたり)の被害は小規模だとしても、企業全体の年間で積み上げられた時間的な損失は相当なものになってしまいます。
そのため、仕事でワードやエクセルなどのオフィスソフトを使う場合、作業をしながら並行してバックアップをとること、社員にそれらを徹底させることは非常に重要です。
企業におけるバックアップ意識が低い理由
1998年〜2001頃に主流であったWindows98〜MEは、現在の安定したOSに比べると、アプリケーションが落ちる(突然強制終了する)頻度が非常に多く、書類作成作業のやり直しを強いられることは日常茶飯事でした。
企業が業務ツールとしてパソコンを導入し始めたのもこの頃であり、上司に言われるがまま、とりあえずワードとエクセルの使い方だけを覚えた事務職員たちは、自動バックアップしながら書類を作成するという意識はないため、「こまめに保存しながら作業して、万が一強制終了したらまた作りなおせばいいや」くらいの感覚で仕事をしている人がほとんどだったように思います。
場合によっては、「万が一」どころか10回に1回くらいの頻度で落ちているケースもあるのですが、誰もが皆、パソコンとはそういうものだ、便利な反面リスクもあるのだ、と思い込んで作業をしていました。
このように、急速にパソコンが普及したため、それを使いこなすことが精一杯になってしまい、最も重要視すべき作業の効率化、時間の短縮化という視点が抜け落ちてしまったということが、バックアップの意識の低さの一因であると思われます。
一方、デジタルネイティブと呼ばれる現在の10代〜20代は、DropboxやGoogleDriveなどのクラウドサービスを日常的に使っており、それらのサービスには初めから自動保存や復元機能がついているため、「2日前の10時の時点の状態に戻す」ということがすぐにできます。前述したようなソフト強制終了の苦労話をしても「え?なんで復元しないんですか?」と真顔で言われてしまいますので、30代以上の方は気をつけた方が良いでしょう。
標準バックアップとバックアップソフトの違い
オフィスソフトで作成中の書類を自動バックアップするには、MS Office標準のバックアップ機能を利用する方法と、専用のバックアップソフト(プラグイン)を利用する方法の2種類があります。
下記の表に、MS Office標準のバックアップ機能と弊社の自動バックアップソフト「勝手にまもる君」の機能の違いをまとめました。専用ソフトを利用することで細かい調整が可能になることがわかります。
勝手にまもる君 | MS Office 標準バックアップ |
|
バックアップ先の選択 | ◯ 任意のフォルダ | × 特定のフォルダ |
バックアップの間隔 | ◯ 設定可 | ◯ 設定可 |
バージョン管理 | ◯ 無制限に保存可能 | × 最新ファイルのみ |
自動保存時のポップアップ | ◯ 色や位置の調整可 | × 不可 |
バックアップのバージョン管理とは?
バックアップソフトの機能のひとつに「バージョン管理」というものがあります。
バージョン管理とは、作成、編集されたファイルの変更履歴を管理するためのシステムのことで、これに対応しているバックアップソフトは最後に保存した状態のファイルだけでなく、何世代も前の状態に遡ってファイルを復元することができます。
オフィスソフト標準のバックアップ機能(=バージョン管理の機能がついていないバックアップ)の場合、復元できるのは最後に保存したファイルだけなので、過去の履歴を遡って復元することはできません。例えば、操作ミスをして画面の文字を全部消してしまったときに、ちょうどのタイミングで10分間隔の自動保存が実行され、あせってファイルを閉じてしまった、となると、もう元に戻すことはできないのでゼロから作り直しということになってしまいます。
その点、バージョン管理機能のついているバックアップソフトであれば、文字を全部消してしまうひとつ前の保存状態に戻せば良いので、被害は最小限に留めらることができます。
まとめ
以上、オフィスソフト利用時のバックアップの重要性とバックアップ機能の種類について紹介しました。
大切な作業時間を無駄にしないためにも、書類作成時は定期的なバックアップを実施することを心がけましょう。