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パソコンで音楽や映画を鑑賞するときにより良い音で楽しむためのポイント

2018年9月15日
written by 渡辺

これまでは音楽鑑賞にCDプレーヤーを使っていたが、これからはパソコンで音楽や映画を楽しみたいという方のために、音楽再生についての基礎知識と手軽に音質を向上させる方法を紹介します。

音楽・映画の視聴は従来の再生機器からパソコンへ

この2〜3年で日本国内ではさまざまな音楽配信サービスが利用できるようになりました。2015年にApple社の「Apple Music」とGoogle社の「Google Play Music」がスタートし、2016年には世界最大手の音楽配信サービスであるスウェーデンの「Spotify」が、2017年には「Amazon Music Unlimited」がサービス提供を開始しています。

音楽配信サービスの普及に伴い、ユーザーの音楽の楽しみ方も、CDからMP3などの音楽ファイル、そしてストリーミングで視聴するスタイルへと変わってきました。それに伴い、音楽を再生するための機器もCDコンポなどの音楽再生専用機器からパソコンやスマートフォンへと変わっています。

少し古いデータですが、リサーチバンクが2014年に実施した「音楽に関する調査」によると、「あなたが音楽を聴くときに使うプレイヤーは?」という設問に対して下記のような調査結果が得られました。

・パソコン:54.8%
・スマートフォン:29.3%
・CDプレーヤー:24.2%、
(上記調査データから一部のみ抜粋 / 10〜60代の全国男女1108人が対象)

Youtubeなどで試聴してからCDを購入するという人も多くいるはずなので、上記のデータから「半数以上がパソコンのみで音楽を聴いている」というわけではありませんが、それでもやはり、音楽配信のデジタルサービスがCDなどの物理メディアを追い抜き、今後さらにその差が広がるのは確実と言えそうです。

映画や動画の鑑賞についても、Netflix、AmazonPrimeのような一定金額を支払うことで見放題になる動画ストリーミングサービスが次々に登場しています。これらはパソコンやタブレット、スマートフォンで視聴できることはもちろん、Apple TVやAmazon FireTVなどのテレビに接続する専用デバイスを使用してテレビの大画面で映像を楽しめます。

そのため、テレビ自体がすぐに使われなくなるということはありませんが、こちらも音楽と同様に、従来の視聴機器からパソコン・タブレット・スマートフォンに移行しつつあることは間違いありません。

パソコンで音楽を聴くなら外付けスピーカーを使おう

音楽や映画の視聴機器はCD・DVDプレーヤーなどの専用機器からパソコン・スマートフォンに移行しつつあると説明しましたが、これにあたって懸念されるのが音質の問題です。

一般的にパソコンやスマートフォンに内蔵されているスピーカーの音質は、CDコンポなどの専用オーディオプレイヤーのそれに比べてお世辞にも高性能とは言えず、オーディオ雑誌などでは「パソコン内蔵のスピーカーで音楽を聴くくらいなら1000円のUSBスピーカーでも繋いだ方がまだマシ」というような意見も見られます。

パソコンを使って本格的に音楽を楽しみたい方はUSB-DACなどを導入した音楽再生環境(いわゆる「PCオーディオ」)をおすすめしますが、高価な機器を導入しなくても、外付けのUSBスピーカーやBluetoothスピーカーを追加するだけでも十分に音質の向上は体感できます。まずはこのあたりを試してみるのが良いでしょう。
※PCオーディオ及びハイレゾについては「高音質のハイレゾ音源をパソコンで再生して楽しもう」で詳しく紹介しているのでそちらをご覧ください。

モノラル・ステレオ・サラウンドの違い

スピーカーやオーディオ機器のレビューなどで「良い音」「立体的な音」などと表現されますが、初心者の場合はどういうことなのかピンと来ない方も多いと思います。オーディオの音の良し悪しというのは宇宙のように果てしない世界であり、深く追い求めると戻ってこられなくなりますので、ここでは最低限の基礎知識として、モノラル・ステレオ・サラウンドの3つの再生環境の違いを復習しておきましょう。

モノラル

モノラルとは一つの再生装置(スピーカー)を用いる再生環境のことです。最近ではほとんど見かけることはありませんが小型スピーカーや携帯ラジオなどはモノラルです。スピーカーのある一方向からしか音が聞こえないため、立体感や臨場感にはやや欠けます。

ステレオ

左と右の2つ(あるいは2つ以上)のスピーカーを使う再生環境がステレオです。複数の方向が音が聞こえるため、モノラルよりも音に立体感を感じやすく、ライブ盤の音楽CDなどではその場にいるような臨場感が楽しめます。デスクトップパソコンやノートパソコン、テレビなどに内蔵されているスピーカーは、機器自体は一台であってもLとRのスピーカーが内蔵されておりステレオで出力されています。また、ノートパソコンの外付けスピーカーとして人気の高いBluetoothスピーカーも同様に、一台のスピーカーからLとRが出力されています。これらはモノラルと同じように音が一方向からしか聞こえないため、音の立体感や臨場感という意味ではモノラルと大差ない場合も多いようです。

サラウンド(5.1ch)

一般的に5台以上のスピーカーで聞き手を取り囲む(Surround:サラウンド)ようにスピーカーを配置した再生環境をサラウンドを呼びます。少し前にホームシアターシステムが流行った時には「5.1ch(チャンネル)サラウンドシステム」というフレーズがTVCMなどでよく聞かれました。これは5台のスピーカーと1台のサブウーハーを組み合わせたシステムという意味です。最近では「7.1.2」などの3桁の数字もよく見られますが、こちらは7台のスピーカー+1台のサブウーハー+2台の天井スピーカー(トップ/ハイトスピーカー)の組み合わせを意味しています。

ソフトを使って立体的な音にすることもできる

手軽にパソコンの音質を向上させるには、外付けスピーカーを追加する、もしくはより高性能のスピーカーに買い替えるのが最も簡単ですが、外付け機器を設置するスペースがない場合は、Windows用ソフト「響く!オトノセカイ」を使って、スピーカーから出る音を立体的にすることができます。

通常、右側のスピーカーから出た音は左耳でも聞こえますし、左側のスピーカーから出た音は右耳でも聞こえます。このソフトはクロストークキャンセルという技術によって、右のスピーカーの音は右耳だけに、左のスピーカーの音は左耳だけに聞こえるようにすることで、スピーカーの音をヘッドフォンで聴いているときのような立体的な音にすることができます。

スピーカーを新しく購入したり買い替えたりしなくても音の聴こえ方が変わるのが実感できるので、なるべくコストをかけずに音質を向上させたいと考えている方はまずはこちらのソフトを試してみるのも良いでしょう。

まとめ

今回はパソコンでより良い音で音楽を楽しむために下記の3つのポイントについて紹介しました。

・パソコンで音楽を聴くなら安くても良いので外付けのステレオスピーカーがあると良い。
・スピーカーを購入する前にモノラル、ステレオ、サラウンドの違いやchの意味を知っておこう。
・高価なホームシアターシステムを購入しなくてもソフトを使って立体的な音を作ることができる。

外付けスピーカーや専用ソフトを使えば、高価なオーディオ機器を購入しなくても、手軽に音の違いを楽しむことができますので、これまでCDプレーヤーで音楽鑑賞をしていた方も是非これを機にパソコンでの音楽鑑賞を試してみてください。

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