以前に書いた「音声認識ソフトを使って文字入力作業を高速化しよう」という記事では、音声入力ソフトの特徴や一般的な用途を紹介しましたが、今回は実際に音声入力ソフト「Voice Rep 2」を使って文章を執筆する具体的な方法を紹介します。文章の入力作業を少しでも楽に、早くしたいという方の役に立てば幸いです。
音声入力はこんな方におすすめです
- 文字入力を高速化したい方
- 文章を書こうと思っても、いざ白紙のWordファイルを開くとなかなか書き始めることができない方。
- キーボードの利用時間が長く、慢性的に腱鞘炎気味の方。
- 自宅で乳児の子育てをしながら執筆作業をする方。
- デスクに座ると猫が邪魔するため、ソファやベッドで執筆作業をしなければならない方。
音声入力ソフトで執筆作業を行うことのメリットとデメリット
音声入力ソフトの一番のメリットはなんといっても「高速で長文の文字入力ができること」です。キーボードで五十音(「あいうえお」から「わをん」まで)を入力してみるとわかりますが、おそらくどんなにキーボードを打つのが速い人でも、実際に五十音を口で喋ったほうが速いでしょう(どこかの戦場カメラマンでもない限りは)。
逆に、音声入力ソフトの導入を躊躇する人の意見として多いのが「ミスや誤変換が多い」「句読点やカギ括弧などの変換が上手くできない」というものです。これらはソフトの種類によって差はあるものの、多かれ少なかれ必ず発生するものであり、どれだけ高価で高性能な音声入力ソフトであっても、話し手の話した言葉を一字一句間違いなく、完璧にテキスト化してくれるものはありません。
つまり、音声入力ソフトを使った文章作成では、書いた後で文章を見直す推敲が必須であり、この推敲作業を許容できるかどうかがポイントになります。「キーボード入力だろうが音声入力だろうが公開する前に推敲は必須だ」という人は音声入力を導入することで作業時間が短縮できる可能性が大いにあると思いますが、「書いた文章をいちいち読み返して修正するなんて面倒だ」というスタンスの人は、初めからキーボードで確実に入力した方が良いでしょう。
- メリット
- 高速で文字入力ができる
- 手を使わないので長文の作成でも疲れない
- デスク(キーボード)に向かわなくても執筆ができる
- デメリット
- 精度が完璧ではない
- 文章の見直しと修正は必須
実際に音声入力してみよう
「本当に話すだけできちんとテキスト化できるの?」という方のために、実際に音声入力ソフト「Voice Rep 2」を使って、音声からの文字起こしをしてみました。下記の文章を読み上げ、その音声を「Voice Rep 2」でテキスト化しています。
読み上げたテキスト(原文)
音声入力されたテキスト
相違点は赤い文字で表記しました。話している文章はほぼ完璧にテキスト化できているのがわかると思います。句読点は上手く変換できていませんが、これについては推敲の際に修正する必要があります。
音声入力で効率的に執筆作業を進めるコツ
文章を書き慣れていない人は、音声入力ソフトを使ったとしても、いきなりすらすらと書けるようになるわけではありません。そもそも文章作成が苦手な人は、何をどのように書くか整理ができていないことが多いため、先にそちら考える必要があります。
長文のブログやメルマガを書く時は、あらかじめ文章の「タイトル」と各項目の「見出し」を箇条書きで書き出しておくと、執筆作業がスムースに進められます。例えば、「初心者におすすめのパソコンの選び方」という記事を書く場合、下記のようにアウトラインを決めておきます。
1. おすすめのデスクトップPC
1-1. デスクトップPCを選ぶ時のポイント
1-2. 50,000円以下で買えるデスクトップPC
1-3. テレビが見れるデスクトップPC
2. おすすめのノートPC
2-1. ノートPCのメリット・デメリット
2-2. 50,000円以下で買えるノートPC
2-3. ノートPCとタブレットの違い
特に音声入力で文章作成をする場合は、制限なく自由に話していると、文章がまとまらないまま文字数だけがどんどん膨れ上がってしまいますので、このように文章をグループ分けしておくと、白紙の状態からいきなり書き始めるよりも、後に行う推敲作業がずっと楽になります。
ちなみに、まったく何も段落構造を考えずに文章を書き始め、出来上がった文章を後からグループ分けして見出しを付ける、というパターンの人もいるようです。但し、文章を書くのに慣れていない人が真似すると、まとまりのない支離滅裂な内容になりがちですので気をつけましょう。
まとめ
以上、音声入力ソフトを使った執筆作業について紹介しました。
音声での文字入力は比較的新しい技術ということもあり、まだまだ一般に浸透していませんが、慣れるとキーボードの数倍の速さで文章を書くことができるようになります。「文章入力は慣れているキーボードを使うのが一番良い」と思っている人にこそ、ぜひ一度試して欲しいと思います。