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初心者でもよくわかる電子印鑑作成ソフトを使ったデジタル印鑑の作り方

人数の少ない中小企業や個人事業主にとって、書類作成などの事務的なルーチンワークはできるだけ効率化・簡略化し、より生産的な業務に時間を割り当てるべきですが、具体的に何から始めればわからない場合も多いでしょう。

今回は電子印鑑を導入することによって、見積書や請求書などの書類作成にかかる時間や手間を大幅に削減する方法を紹介します。

電子印鑑とは?

電子印鑑(デジタル印鑑)とは、PDFファイルなどの電子書類に捺印することができる印鑑のことです。

今まではパソコンのWordやExcelで作った書類に捺印して取引先等に送る場合、書類を一旦プリントアウトしてから捺印、さらにそれをスキャンしてPDF化し、取引先にメールで送信する、という大変面倒な作業が必要でした。

電子印鑑を利用した場合は、パソコンで作成した書類をプリントアウトすることなく、WordならWordの、ExcelならExcelの画面上でそのまま捺印することができるようになります。

電子印鑑を導入した書類作成フロー

電子印鑑を導入するメリット

電子印鑑を利用することによって、作業の時間が短縮できると同時に、無駄な書類を印刷する必要がなくなるため、ペーパーレスな仕事環境を実現できます。

◎メリット
– 個人認証が可能
– 書類作成や郵送作業の時間短縮・効率化
– ペーパーレス化(印刷コスト削減)

電子印鑑のデメリット

電子印鑑は導入時にソフトの購入費用やサービス利用料などの費用が必要となります。

また、デジタルデータであるため、個人認証などの設定をしなかった場合、容易にコピーされる危険があり、相手の企業側がセキュリティポリシー上、電子印鑑を認めない場合があるなどのケースが考えられます。

◎デメリット
– 導入時のコスト
– セキュリティ面における不安
– 取引先とのコンセンサスが必要

電子印鑑を作る前に知っておきたい印鑑の種類

電子印鑑を作る前に、印鑑にはどのような種類のものがあるのかを説明します。
読むのが面倒な方は下記に簡易表をまとめましたのでご覧ください。

印鑑の種類 印鑑証明 電子印鑑 用途
個人 認印 × 宅配便の受取・回覧板の確認
実印 × 土地契約などの重要な契約書
法人 角印(社印) × 見積書・請求書など
丸印(代表者印) × 契約書などの重要書類

※厳密には角印でも登録すればる印鑑証明が可能ですが、日本の商習慣的に好まれません。

認印

認印(にんいん)とは、他人が作った文書に目を通したあかしとして押す印鑑のことです。厳密にいうと、はんこを使用する用途の名称であり、はんこそのものの種類を指すものではないため、認印という種類のはんこが売っているわけではありません。一般家庭では宅配便の受取のときや回覧板を見たとき、会社では書類を確認したときなどに「見ました」「認めます」ということを表すために使われます。

認印は個人を証明する目的で使われるものではないため、シャチハタや三文判などの一般流通しているものが使われることがほとんどです。

尚、稀に認印とシャチハタが同じ意味だと勘違いしている人がいますが、シャチハタというのはシヤチハタ株式会社から発売されている朱肉がなくても捺印が可能になる印鑑の商品名です。

電子印鑑ソフトで作成できるのはこの認印となります。

実印

実印(じついん)は、住民登録をしている市役所などの自治体に印鑑登録をすることよって、本人の印鑑であることを証明できる印鑑のことです。

自治体に登録した印鑑は、本人が申請することにより「印鑑登録証」を発行することができるようになります。土地の売買や賃貸住宅の契約などの重要な契約書類には、この印鑑登録証を書類に添付することで、「本人の実印で間違いないありません」ということを証明できます。

実印は偽造が困難な手彫りの印鑑を使うのが理想的ですが、100円ショップで購入できる三文判なども印鑑登録すれば、実印として使うことができます。電子印鑑は印鑑登録ができないので実印として利用することはできません。

社印(角印)

「◯◯株式会社之印」というように会社名が記載された法人用の印鑑で、一般的に角印と呼ばれます。

法人用の認印のようなもので、請求書や領収書など、会社で日常的に発行される書類に捺印されます。個人の場合と同様に、法人においても、角印をデジタル化して電子印鑑として利用する企業が増えています。

尚、角印と混同しがちな印鑑に丸印がありますが、角印は法人の認印のような位置づけであるのに対して、丸印は法人の実印(=代表者印)になります。取引先との契約書類など、重要な書類には丸印が用いられます。

ちなみに、個人の場合は自治体が印鑑証明を発行しますが、法人の印鑑証明は法務局から発行されます。

電子印鑑の作り方

実際に電子印鑑を作る場合は大きく分けて3つの方法があります。

電子印鑑作成ソフトを使う

簡単に素早く電子印鑑が作るなら電子印鑑作成ソフトを使う方法が最適です。ソフトの説明に従って必要事項を入力するだけで、誰でも簡単に電子印鑑を作ることができます。

Windowsには様々な種類の電子印鑑作成ソフトがありますが、Macに対応しているソフトはほぼないため、Macで電子印鑑を作る場合は、次項で説明する画像編集ソフトを使うか、印鑑作成サービスを利用することになります。

主な電子印鑑ソフト
パパッと電子印鑑 2 PRO
シヤチハタ デジタルネーム
クリックスタンパー

画像編集ソフトを使って自分で作る

PhotoshopやIllustratorなどの画像編集ソフトを持っている人は、それらを使って自分で電子印鑑を作ることもできます。

既存のはんこの陰影をスキャンして作る方法と、全く何もない状態でゼロから作る方法の二通りがあり、いずれの場合もPNG形式で書き出して保存し、必要なときに印鑑画像として挿入することができます。

画像編集ソフトを持っていない人は、代わりにオンラインの画像編集ツールを使って電子印鑑を作成する方法もあります。

また、名前を丸で囲んだだけの簡易的なものであれば、WordやExcelの編集機能をを利用して作ることも可能です。

(参照:本物のはんこから電子印鑑を作成してワードやエクセルに貼り付けよう | いわしブログ

電子印鑑作成サービスを利用する

自分で作っている時間がない、もしくはソフトの使い方が良くわからないという方には、電子印鑑を作成してくれるウェブサービスを利用するという方法があります。

サービス申し込み後にデジタル化したい印鑑の印影を送ると、数日以内に電子印鑑を作成することができるため、手間をかけずに手軽に電子印鑑が作れるメリットがあります。

個々のサービスによって提供される機能は異なりますが、作成した電子印鑑に固有のIDを埋め込むことにより、個人認証ができるようになるサービスもあります。

費用は、個人向け電子印鑑が1個あたり1,000円前後から。法人向けの角印は3,000円〜5,000円くらいが相場となっています。復数の印鑑をデジタル化したい場合は電子印鑑作成ソフトを利用した方が低コストで済みますが、作成したい電子印鑑がひとつだけの場合はこのようなサービスを利用するのも良いでしょう。

(参照:電子印鑑作成ソフト・サービスまとめ

電子印鑑のセキュリティ

電子印鑑を導入するの際に気になるのが、不正コピーや第三者による不正利用です。
これらを防ぐためにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

電子印鑑の複製を完全に防ぐことはできない

まず覚えておきたいのは、電子印鑑はデジタルデータなので、どんなセキュリティ対策を講じたところで、何らかのかたちで複製することは可能だということ。つまり印鑑の複製を100%防ぐ方法はないということです。

実はこれはデジタルに限ったことではなく、本物の印鑑であっても、印影をコピーして複製を作ることはそれほど難しくありません。

悪意のある社員が不正をしようと思えば、価格を水増しした稟議書を作成して、コピーした上司の電子印鑑で捺印して経理に通す、ということも可能なわけです。

しかしながら、そもそも電子印鑑(認印)は、法的にも本人であることを確認できる証拠にはならないため、そういったものに過度なセキュリティ意識を求めること自体が的外れであり、上記の悪用の例でいえば、印鑑をコピーしたくらいで簡単に不正ができてしまう社内のシステムの方を改善すべきとも言えます。

安全性を高めるには電子署名を

どうしても不正コピーのリスクを防ぎたい場合は、第三者認証機関によって電子証明書を発行し、個人認証を行うことができる電子印鑑システムを導入するという方法があります。

(参照:電子印鑑システム パソコン決裁サイト

このサービスで作成された電子印鑑には個別のシリアル番号が埋め込まれているため、印鑑自体の複製を防ぐことができ、さらに捺印時にユーザ認証を行うことで、第三者の不正利用も防ぐことができます。

また、上司が社員の電子印鑑の利用状況を確認したり、捺印履歴をチェックするといったことも可能になります。

まとめ

以上、電子印鑑の基礎知識と作り方を紹介しました。

いきなり全ての書類を電子印鑑で処理するのは大変なので、最初は稟議書などの社内文書などから始めて、徐々に切り替えていくという方法でも良いでしょう。

小規模部署や個人事業の方などは、比較的スムースにデジタル移行できますし、コスト削減のメリットも大きいので、是非試してみてください。

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