一般の家庭用パソコンの平均寿命は4年〜5年と言われており、故障の原因として最も多いのがハードディスクドライブの異常です。
ハードディスクドライブはパソコン内のあらゆるデータを保管しているハードウェアなので、これが壊れてしまうとパソコンに保存しているデータが全て消失してしまいます。
外付けハードドライブなどに定期的にバックアップを取っていれば、そちらからデータを復旧することができますが、そうでない場合は故障前の状態に戻すことは難しく、データ復旧業者などに依頼しても消失したデータが100%復旧できるとは限りません(しかも費用は数万円〜十数万円かかる場合があります)。
今回は、突然のハードディスクの故障によってデータを消失してしまうことのないように、ハードディスクの健康状態を診断し、寿命をチェックする方法を紹介します。
ハードドライブの寿命はどのくらい?
コンピュータのハードドライブには、ハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)の2種類があり、それぞれ仕組みや寿命が異なります。
ハードディスクドライブ(HDD)の場合
ハードディスクドライブ(以下、HDD)はデスクトップパソコンや旧型のノートパソコンに搭載されているハードドライブです。
テレビに内蔵されているハードディスクレコーダーや、USBなどで接続されている外付けのハードディスクドライブも、基本的な仕組みはパソコンのハードディスクドライブと変わりません。
機器の内部に稼動部品があるため、後述するSSDに比べると平均寿命は短く、バックアップサービスを提供する「Backblaze」の調査によると、HDDの平均寿命は約4年だそうです。
参考:ハードディスクドライブの動作
ソリッドステートドライブ(SSD)の場合
ソリッドステートドライブ(以下、SSD)は、HDDに比べて読み込みスピードが非常に早いのが特徴で、2013年頃から市販のノートパソコンに搭載されるようになりました。現在ではデスクトップパソコンでもSSDを搭載しているものが増えています。
以前はデータの書き換え回数に制限があるのがデメリットとされていましたが、今現在はSSD自体の性能も上がっているので、通常の使用においては書き込み回数を気にする必要はないと言って良いでしょう。
SSDの寿命はHDDよりも若干長く、平均寿命は約5年と言われています。
こんな症状が出たときはハードディスクの寿命をチェックしよう
ハードディスクドライブの寿命が近づいている時にはパソコンの動作が不安定になったり、機器からいつもと違う音がしたりすることがあります。下記のような症状が見られたら要注意です。
異音がする
パソコンからカリカリ、ガリガリ、ジージーというような普段と違う異音が聞こえる場合は、ハードディスクに異常があったり、寿命が近づいている可能性があります。
本体が異常に熱い
パソコン本体が熱くなったり、冷却用のファンが異常に回転していたりする場合、故障の前兆であることが多いです。
頻繁にフリーズする
ハードディスクはデータを小さなクラスタ(グループ)に分けて保存していますが、これが破損しているとパソコンが頻繁にフリーズすることがあります。フリーズを繰り返すようになったら一度ハードディスクのチェックをした方が良いでしょう。
ハードディスクの寿命を診断できるソフト
HDD Sentinel PRO
HDD Sentinel PROは、パソコン内蔵のハードディスクだけでなく、ネットワーク上のハードディスク・SSD・ネットワークドライブを自動検知し、健康状態や寿命・温度などを常時監視してくれます。様々なテスト機能を搭載しており、機器の温度変化や推定残り寿命などもわかります。
CrystalDiskInfo
CrystalDiskInfoはHDDやSSDを監視してハードドライブの健康状態を教えてくれるディスクユーティリティです。電源投入回数や通算使用時間、使用しているディスクの消耗具合まで知ることができます。
ディスクユーティリティ(Macの場合)
Macの場合は標準機能として搭載されているディスクユーティリティからハードディスクドライブの状態を確認できます。起動方法は「アプリケーション」フォルダ→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」から。OSのバージョンによってソフトの仕様が異なりますのでご注意ください。
まとめ
以上、パソコンのハードディスクの寿命と定期的な寿命診断・チェック方法について紹介しました。
ハードディスクの異常については、故障の前兆があればまだ良い方で、なんの前触れもなく、ある日突然動かなくなって、それっきりデータも全て消失・・・というケースも珍しくありません。バックアップをとっていない場合、大切な写真や音楽のデータなども全て無くなってしまいます。
ハードディスクの寿命や健康状態を定期的にチェックしつつ、バックアップを定期的に行うなどして、少しでもデータ消失のリスクを減らすようにしましょう。