最近ではパソコンの日記というと、ブログを連想される方もいるかと思いますが、もともと日記とは、個人が一日の出来事や考えたことを記録し、後から振り返って楽しんだり反省したりするものであり、インターネットで世間一般に公開するようなものではありませんでした。今回は、従来の意味でのプライベートな「日記」をパソコンを使って書くときに、どんなソフトを使うと書きやすいか、という視点から、いろいろな日記の書き方について考えてみたいと思います。
テキストエディタ(メモ帳)を使う
はじめに紹介するのは、OS標準のテキストエディタを使う方法です。Windowsなら「メモ帳」、Macなら「テキストエディット」です。
テキストエディタのメリットは、ソフトの動作が軽いこと、OS間の互換性に優れ、ファイルの扱いが簡単であることです。後述するノートアプリや日記ソフトと違って、OSをアップグレードをしたり、WindowsからMacに乗り換えても、そのまま使い続けることができます。
テキストエディタで日記をつける場合、ファイル管理をどのように行うかが重要なポイントです。例えば、「2019.txt」というファイルを作って1年分の日記を書く方法もあれば、「2019-01.txt」のように月ごとに新しいファイルを作る方法もあります。月ごとにファイルを作る場合は、適切にフォルダ分けをすることで、後から検索するときに日記が探しやすくなるでしょう。
過去の日記をキーワード検索する場合、保存されているフォルダを検索すれば、該当するキーワードを含む日記のテキストファイルが見つかりますが、場合によってはファイルを開いてから再度ファイル内を検索する必要があるため、過去の日記を頻繁に振り返る人にとっては、やや手間に感じるかもしれません。
テキストエディタで扱えるのは基本的にテキストデータのみなので、日記に写真や動画は添付できません。写真を添付したい場合は、WindowsのワードパッドやMacのリッチテキスト、あるいはMicrosoftのWordなどを使うことで対応できますが、これらはプレーンテキストではないため、テキストエディタに比べて動作が重く、先述したOS互換の優位性も失われます。
ノートアプリを使う
EvernoteやOneNoteに代表される、クラウド型のノートアプリは、Windows、Mac、iOS、Androidなど、複数のデバイスに対応しているため、パソコン、スマートフォン、タブレットなどの複数の端末から日記を管理できます。基本的にどのアプリもメールアドレスとパスワードを登録してアカウントを作成すれば無料で利用できます。
アプリのデータはクラウド上に保存されるため、外付けハードディスクなどにバックアップする必要がなく、パソコンが突然壊れても、これまで書いた日記の内容が失われることがありません。パソコンを買い替えた場合は、新しい方のパソコンにアプリをインストールし、同じアカウント情報を入力すれば、すぐにデータが同期されます。
また、検索機能が優れており、過去の日記を探すときにはアプリ上の検索ウィンドウからキーワードを入力してすぐに見つけられます。
日記に写真や動画などを載せることもできますが、無料版はアップロードできる容量に制限があります。Evernoteは一日あたりのアップロード容量が60MBまでに制限されているため、大量の写真はアップロードできません。OneNoteは無料版で保存できる容量は15GBまでとなっています。いずれの場合もより多くの画像をアップしたい場合は有料版への切り替えが必要です。
ブログサービスを使う
少し変わった方法として、アメブロやライブドアブログなどのブログサービスを非公開に設定し、自分しか見られないようにすることで、プライベートの日記ソフトとして使うこともできます。
先述のノートアプリを使った場合と同じく、データはクラウド(サーバ)に保存されるため、パソコン側の故障やOSアップデートなどの影響がなく、複数端末からアクセスすることが可能です。ブログ内(日記内容)の検索も容易であり、もちろん写真や動画のアップロードも可能です。
デメリットは、将来そのブログサービスが終了した場合に、ほかのブログサービスへのデータ移行に非常に手間がかかることです。この10年間だけでもさまざまなウェブサービスが現れては消えていったことを考えると、今あるブログサービスが10年後も続いている保証はありません。長く日記を書き続けたいと考えているなら、この点は気をつけたいところです。
日記ソフトを使う
日記を書くことに特化した専用のアプリケーションである「日記ソフト」は、有料・無料を含めてさまざまな種類のソフトがあります。
例えば、Gingの「私の記録、10年日記」は、日記を毎日書き続けるためのさまざまな工夫が凝らされた日記ソフトで、記念日や占い、天気予報など、毎日チェックしたくなる機能が多く盛り込まれています。
他にも、動画や音声を自由に貼り付けられるソフト、複数のユーザーで利用できるソフト、未来の自分宛てに手紙を書けるソフトなど、ユニークな機能が搭載されているソフトが多数あるので、いくつか同時に使ってみて自分の好みに合うソフトを探してみるとよいでしょう。
ただし、基本的にソフト同士の互換性はないため、途中で別のソフトが使いたくなった場合に簡単に乗り換えることはできません。また、バックアップ機能がついているソフト以外は、自分で定期的にバックアップをとる必要がありますが、ソフトによって画像などのデータの保管フォルダが異なるため、ある程度の慣れが必要です。
まとめ – 日記ソフトを選ぶポイント
パソコンで日記を書くときは、無料で使えるOS標準のソフトから、日記の作成に特化した日記専用ソフトまで、いろいろなソフトが使えることを紹介しました。最後にソフト選びのポイントについてまとめておきましょう。
- 毎日飽きずに続けられるか?
- 写真や動画を添付できるか?
- 過去の日記を検索できるか?
- バックアップ機能はあるか?
- スマホやタブレットからも作成、編集ができるか?
- パソコンを買い替えたときにデータの引っ越しができるか?
- OSのバージョンアップをしても使い続けられるか?
- 他人に見られないようにロックがかけられるか?
自分がどのような日記を書きたいかによって、選ぶソフトは変わってきます。年号が変わって心機一転し、これからパソコンで日記を書き始めたいという人は、まずはテキストエディタから始めて、慣れてきたらノートアプリやブログサービス、日記ソフトなどに移行するとよいでしょう。